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おっさん、それとも?

今日の患者は64歳の男性。創傷ケアセンターで初診ということで、いろいろ質問し始めたが、ふたつ問題があった。3週間前にガラスを踏んで、ガラスのかけらを奥さんと一緒に足から取り出したという。シャルコー足があって、足の真ん中に5ミリぐらいの穴がある。広げてみたら、1センチぐらいの穴になった。でもガラスはもう残っていないようだ。。。。

よく3週間も放っておいたな~。それにしても、きったないサンダルはいてる、、、、どろがついていて、もう何年もはき続けているんでないの?

二つ目の問題は親指の水ぶくれ。ヨーロッパに旅行に行った時に靴下か靴が悪かったのかで、できたという。これも2週間前の話。。。。もうほとんどなおっていたが。

血流もよくないので、レントゲンと動脈ドップラーをオーダーした。

ナースと患者さんは知り合いのようで、いろいろ親しく話している。

「お仕事は何なさっているんですか。」

「あ~、指揮者だよ。シンフォニーで指揮してるよ。ほらディズニーシンフォニーホールとか、そこの植物園とかで。。。。」
腕をふんふんと振って指揮者のまねをしてくれた。(というか、本物の指揮者だが。。。。。)

まじすか。。。。。この麦藁帽子がとってもにあって、家庭菜園でガーデニングをやっていそうなおっさんがかの有名なオーケストラの指揮者ですか。。。。。

結構衝撃的ではあったが、しどろもどろになりながら、彼の名前から指揮者であること気がつかなかったことをお詫びした。

ベッドサイドマナーは大事ね!いつもどおりに、客観的に治療方針を説明していただけなので、
指揮者である、ということが瞬時にわからなかった以外は失礼があったとは思えないが。。。。

あとでナースジェンに聞くと、創傷ケアセンターに来るのは実は2回目で、1回目は治る前にドロップアウトして、忙しいということで来なくなってしまったのだそう。

「演奏聞きにいったことある?」
「あるよー。そこの植物園で夏に毎年アウトドアコンサートやってるでしょ。それ見にいったよ。」

ほーそうか。やっぱり本物か。

「これからは、マエストロとおよびしますか。」と聞いたら、
ただニコニコ笑っていたが。。。。。





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ドクター桜子

Author:ドクター桜子
LAから毎日会う面白患者さんのエピソードをお送りします。
ハンサムでスマートなドクターHとのエピソードも時々😍

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